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超音波併用で発見率1.5倍に 乳がん検診全国大規模調査で判明

掲載日:2015年11月6日

全国の乳がん検診で推奨されているマンモグラフィー(乳房エックス線検査)に超音波検査を併用した場合、40代女性の早期がんの発見率が約1.5倍になった、との調査結果を東北大学大学院医学系研究科の大内 憲明(おおうち のりあき)教授らの研究グループがまとめ、5日発表した。国内の約7万6千人を対象にした結果で、研究グループは「乳がん検診で二つの検査の併用が有効である可能性を大規模調査で示したのは世界でも初めて。死亡率の低下につながるか調査研究を続ける」としている。研究成果は、英医学誌ランセットに掲載された。研究は日本医療研究開発機構(AMED)の支援により行われた。

研究グループは、2007年から11年の間に検診を受けた全国約7万6千人の40代女性を対象に同意を得た上で調べた。検査の際の「マンモグラフィー単独群」と「マンモグラフィーと超音波の併用群」とに分け、検診結果と精密検査を経てがんと確定した症例数などを比較、分析した。

その結果、単独群の発見率は0.32%、併用群は0.50%となり、発見率は約1.5倍高かった。また、早期がんの段階で見つかった割合は、単独群では発見されたがん全体の68%、併用群では78%で、併用群の方が早期発見できる割合も高かった。

乳がんは世界的に増加傾向にあり、特に日本で乳がんの死亡率が上昇している。早期発見、早期治療が極めて重要で、マンモグラフィーは乳がん死亡率を下げる効果が証明され、40代以上の検診として推奨されている。しかし、若年の女性は乳腺組織の密度が高いことなどから検査精度が落ちる、との指摘があった。このため40代の女性での超音波検査の併用効果が注目されていた。

今回の結果は、今後全国の検診内容に影響する可能性がある一方、費用や検査時の身体的負担などの問題もある。併用検査実施の最終的可否判断のためには今後も研究が必要だ。

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