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政府、温暖化影響で初の「適応計画」豪雨、洪水被害やコメ大幅減収など予測

掲載日:2015年10月23日

政府は、地球温暖化による環境、社会、経済など広範囲にわたる影響を極力抑えるための対策基本方針などを定めた「気候変動の影響への適応計画」案をまとめ23日、公表した。この適応計画案は、同日午前開かれた政府関係省庁連絡会議に提出、審議された。政府は、11月末から始まる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)までに正式な適応計画として閣議決定したい考えだ。

計画案は約80ページ。「農業・林業・水産業」「水環境・水資源」「自然生態系」「自然災害」「健康」「産業・経済活動」「国民生活・都市生活」の7分野について温暖化の影響の重大性、緊急性や影響予測の確実性を考慮して求められる対策を詳細に検討した。この中でも特に重大な課題として洪水被害、高温による熱中症や、農産物被害などに対する対策をまとめた。

まず、日本の温暖化については、年平均気温は19世紀末以降、100年当たり1.14度上昇し、温室効果ガスの排出が多いままだと今世紀末には20世紀末より4.4度上昇すると予測した。

温暖化影響については、7分野ごとに詳しく予測した。このうち、洪水、水害については、気候変動により時間雨量が50ミリを超える短時間豪雨や総雨量が1000ミリを超える豪雨は現在より頻繁に発生して降雨総量も今世紀末には最大3割増加。防水施設の能力を超えた水害が頻発する、とした。対策として堤防整備や災害リスクが高い地域から低い地域への居住誘導を挙げた。高温による死亡リスクは、1981∼2000年に比べ今世紀末には最大3.7倍になり、熱中症は、今世紀半ばに全国の大半の地域で搬送者が2倍以上になる、と予測した。コメの生産では、1等米比率の低下が進み、九州地方では今世紀末には最大約40%低下し、水稲全体の収量も減る、とした。

適応計画は対策面で具体性に欠ける内容もあることから、関係省庁は今後、実施時期や内容をさらに検討する。また温暖化による影響は地域ごとに異なるため、地域の特性を考慮した自治体レベルでの計画策定も促す。

適応計画は既に欧米の主要先進国や中国、韓国などが策定済みだった。

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