ニュース

特別研究員RPD事業など推進 男女共同参画白書閣議決定

2015.06.22

 女性研究者支援事業の推進などを盛り込んだ男女共同参画白書が19日、閣議決定された。

 昨年6月に閣議決定された「科学技術イノベーション総合戦略2014」は、大学と公的研究機関における女性研究者の採用割合を自然科学系全体で2016年までに30%にする目標を盛り込んでいる。白書によると、研究者のうち女性の占める割合は今年3月末時点で14.6%と、諸外国に比べ、まだ低い。また、大学などの専門分野で見ると、薬学・看護学分野では女性研究者が約半数を占める一方、工学分野では9.8%、理学分野でも13.8%にとどまり、偏りが目立つ。

 白書はこうした現状を示した上で、男女共同参画社会に向けた2015年度の促進施策として、文部科学省の「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」、日本学術振興会の「特別研究員(RPD)事業」、科学技術振興機構の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」を推進することをうたっている。

 「女性研究者研究活動支援事業」を発展させた「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」は、女性研究者のライフイベント(結婚、出産など)とワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に配慮した研究環境の整備や研究力向上のための取り組み、さらには上位職への積極登用に向けた取り組みの支援を目的としている。今年度の公募は既に締め切られ、6月中に選定結果が明らかにされる。

 「特別研究員PRD」は、出産・育児による研究中断後の研究現場復帰を支援する事業。博士号を持ち(取得見込みも含む)、過去5年以内に、出産または子育てのため、概ね3カ月以上研究活動を中断せざるを得なかった研究者が対象だ。2016年度は50人の採用枠が予定されている。

 「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」は、女子中高生の理系分野に対する興味・関心を呼び起こし、理系分野への進学を促す大学のさまざまな取り組みを支援するのが目的。女子中高生や保護者を対象に、大学の研究室で実際に実験を体験してもらう、あるいは先輩女性研究者との対話の場を設けるといった取り組みが行われている。

関連記事

ページトップへ