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微小なゼリー球が三日月や星形になった

掲載日:2014年10月30日

ミクロなゼリー球を三日月や星などの多様な形に成形することに、東京農工大学大学院工学研究院の柳澤実穂(やなぎさわ みほ)特任准教授と九州大学大学院理学研究院の鴇田昌之(ときた まさゆき)教授らが成功した。温度を調節して、相分離とゲル化の速度を変化させる方法で実現した。食品や医薬品などの素材の形成法に応用すれば、多彩な機能付与が可能となりそうだ。10月27日付の米科学アカデミー紀要オンライン版に発表した。

小さなゲルは、ゼリー食品や化粧品、薬用品など、日用品には欠かせない。そのゲルの形を変えることができれば、新しい機能が生まれる可能性がある。しかし、0.01㎜スケールのミクロなゲルの形状は制御しにくく、球形やカプセル以外に形成することは難しい。ミクロなゲルの形で食品の食感や味も変わるなど、形に由来した機能を与えることができるため、その手法が渇望されていた。

研究グループは、ミクロな形を制御するために、生物細胞の多様な形に着目して、ミクロなゼリー球を設計した。ゲル化して固まるゼラチンに、温度を下げるとゼラチンと相分離するポリエチレングリコール(PEG)を混ぜ、それを脂質膜で覆って、直径0.01~0.1㎜の細胞モデルを作った。この細胞モデルは、温度の低下に伴って相分離とゲル化の速度が変化し、脂質膜とゼラチンの親和性も関わって、従来の球形やカプセルだけでなく、三日月や星形、円盤形、穴がある球形など驚くほど多様な形になった。

柳澤実穂特任准教授は「小さな液滴の中で起きる相分離とゲル化という2種類の異なる物理原理を利用して、ゼラチンが自ら変化して、自在に好みの形を作るようになった。この手法は、さまざまなミクロ材料の形成法に応用できる。形は機能に通じる。ミクロ材料の形による食感制御や薬剤の保持放出の制御など、多彩な機能の付与が期待できる」と話している。

ゼラチン(写真の白、イラストの黄色)と、ゼラチンと相分離する分子(写真の黒、イラストの灰色)からなる小さな液滴(直径0.1㎜)が見せる多様なゼリーの形
図. ゼラチン(写真の白、イラストの黄色)と、ゼラチンと相分離する分子(写真の黒、イラストの灰色)からなる小さな液滴(直径0.1㎜)が見せる多様なゼリーの形
(提供:東京農工大学)
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