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アホウドリひな小笠原で戦後初確認か

掲載日:2014年5月13日

南の諸島のアホウドリ分布拡大は、佐渡で進んでいるトキの野生繁殖とともに、国の特別天然記念物で絶滅危惧種の大型鳥類を復活させる重要な試みである。東京都とNPO法人小笠原自然文化研究所は5月12日、小笠原諸島の媒島(なこうどじま)で、アホウドリとみられるひなを確認したと発表した。種を突き止めるため、採取したひなの羽毛数枚からDNA分析をすることも明らかにした。

確認したのは5月7、8日。東京都小笠原支庁の職員と小笠原自然文化研究所の所員が聟島(むこじま)から5キロ南の無人島、媒島で鳥の生息状況を調査していて発見した。近縁種のクロアシアホウドリの中にひときわ大きなひなを見つけた。くちばしもピンク色をしており、アホウドリと推定した。親鳥は既に北へ旅立っているのか、周りにいなかった。

アホウドリは現在約2500羽。繁殖地は八丈島の南にある鳥島と尖閣諸島、ミッドウェー環礁に限られている。主な繁殖地の鳥島は火山島で、噴火に伴う絶滅の恐れが指摘されている。成鳥は翼を広げると2メートル以上になる。夏は北太平洋で過ごし、冬に鳥島など繁殖地に戻って集団で子育てをする。小笠原諸島には戦前、数万羽生息していたが、羽毛の採取目的で乱獲されて1930年代に途絶えた。小笠原での確認が最終的に確定すれば戦後初めてとなる。

東京都は、媒島などの小笠原諸島で、アホウドリ類の生息地を踏み荒らす野生のヤギを駆除しており、アホウドリが繁殖できる環境になってきたとみている。山階鳥類研究所と環境省は2008~12年に鳥島から聟島に70羽のひなを移住させて、新しい繁殖地づくりに挑戦しているが、結果はまだ出ていない。今回の個体が、約350キロ北に離れた鳥島から飛来したアホウドリのひなか、聟島に移したアホウドリのひなか、はっきりしていないが、いずれにしても、分布拡大では画期的な意味がある。

小笠原諸島の媒島で見つかったアホウドリとみられるひなと媒島の地図
写真. 小笠原諸島の媒島で見つかったアホウドリとみられるひなと媒島の地図。
(提供:東京都)
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