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メダカは仲間の動きを判断

掲載日:2013年12月11日

イワシやブリ、マグロなどの群れを作って集団で泳ぐ魚たちは、どうやって互いに同じ仲間だと認識しているのだろう? 基礎生物学研究所の中易知大研究員と渡辺英治准教授がメダカを使って実験したところ、メダカたちは相手の動きによって自分と同種であると判断し、一緒に群れていることが明らかになった。

渡部准教授らは、ヒトの知覚研究の分野で40年ほど前に開発された「バイオロジカルモーション刺激」という手法をメダカに応用した。これはヒトの頭部や四肢、関節などを点で示し、動画としてヒトの動きを再現するもので、現在のバーチャルリアリティ技術の基にもなっている。

バイオロジカルモーション刺激として、メダカの頭部の先端と尾びれの先端に各1点、それらを結ぶ体軸上に4点を割り当て、自由に運動するメダカの様子をPCディスプレイで再現した。この動画を水槽で泳ぐメダカに見せたところ、画面に強く寄って来ることが分かった。

この結果が、ただの動く点に反応したのではなく、群れるべき相手として選択されたのかどうかを確かめるために、メダカの動きとしては不自然な“比較刺激”を作り、改めてメダカに見せて観察した。用意した比較刺激は次の5種類。
(1)6点を直線で固定した、体軸情報が欠如した刺激
(2)動画のフレームレート(元刺激は1秒間60フレーム)を落とした刺激(1秒間に15、10、5、1の各フレーム)
(3)動画のスピードを変化させた刺激(2倍速、1.5倍速と、低速の0.5倍速、0.25倍速)
(4)動画を逆再生した刺激
(5)ヒト形を再現した刺激

これらの刺激に対して、メダカは元の刺激よりも引きつけられなかった。メダカは群れの仲間を認知するのに動きの情報を利用し、同種の自然な動きを知覚する能力が極めて高いことが分かった。さらに魚類にも、高度に抽象化された刺激を視覚的に認知する能力が備わり、進化的にも広く保存されていることを示すものだという。 研究論文“Biological motion stimuli are attractive to medaka fish”は『Animal Cognition』に掲載された。

群泳するメダカ
群泳するメダカ
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