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世界最薄・最軽量の有機LED

掲載日:2013年7月29日

重さが1平方メートル当たり3グラム、厚さが1000分の2ミリメートルほどの世界最軽量・最薄の有機LED(発光ダイオード)を、東京大学大学院の染谷隆夫教授や関谷毅准教授、オーストリアのヨハネス・ケプラー大学のジークフリート・バウアー(Siegfried Bauer)教授らの研究チームが開発し、英科学誌『Nature Photonics』(オンライン版、28日)に発表した。あらゆる曲面に張り付けられる有機LED照明や有機LEDディスプレイ、装着感のないヘルスケア・センサー用の光源などへの応用が期待されるという。

研究チームは、飲料のペットボトルや繊維材料として使われている厚さ1.4マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)の高分子フィルム「ポリエチレンテレフタレート(PET)」の上に、独自の技術で有機LEDを作製した。この有機LEDの陽電極に「3,4-エチレンジオキシチオフェン」のポリマー(PEDOT)と「スチレンスルホン酸」のポリマー(PSS)の混合物を使い、陰極に「フッ化リチウム(LiF)」薄膜を挿入したアルミニウム電極を用いた。

この有機LEDは超薄型であるにもかかわらず、くしゃくしゃに折り曲げても動作し、光源の1平方メートル当たりの明るさ(輝度)は100カンデラと、コンピューターのモニター画面の輝度(100-250カンデラ)にも相当するという。

また、この柔らかい有機LEDフィルムを、伸縮可能なゴムの上に張り付けることで、アコーディオンのような波型形状にも、ゴムのように伸縮自在な有機LEDの開発にも成功した。

染谷教授らはこれまでに、厚さ1マイクロメートル(1000分の1ミリメートル)級の有機太陽電池や2マイクロメートル級の有機トランジスタの開発にも成功しており、今回の開発ですべての有機デバイスの薄型化・軽量化がいっそう進むことになりそうだ。

今回の研究成果は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業「ERATO型研究」「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト」によって得られた。

開発した最薄・最軽量の“柔らかい”有機LED
開発した最薄・最軽量の“柔らかい”有機LED
(提供:科学技術振興機構)

 

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