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“しんかい” 5,000mからネット生中継

2013.06.13

 有人潜水調査船「しんかい6500」がカリブ海の水深5,000メートルの深海で行う調査の様子が、22日午後8時30分(日本時間)から約12時間にわたりインターネット放送「ニコニコ動画」で生中継される。企画した海洋研究開発機構(JAMSTEC)によると、科学研究を目的とした深海調査の現場からライブ放送されるのは世界でも初めてという。

 調査は海洋研究開発機構が今年1月から行っている世界周航研究航海の一環として実施するもので、調査地点のカリブ海中部にある英領ケイマン諸島南側の海域には、水深5,000メートルという世界最深の熱水活動域が存在する。海底面は水温が400℃以上、水圧が500気圧以上の超高温・超高圧環境になっていることから、初めての“超臨界”熱水噴出の観察の可能性や、新しい超好圧好熱性の微生物などの発見の可能性があるという。

 「しんかい6500」には、JAMSTEC深海・地殻内生物圏研究プログラムディレクターの高井研さん、パイロット(潜航長)の飯島一樹さん、コパイロットとして二等潜技士の池田瞳さんの3人が乗り込む予定だ。

 ライブ中継は、「しんかい6500」のコックピット内での操縦作業や潜航時の深海映像、深海での研究活動などの映像と音声を光ファイバーで海上の支援母船「よこすか」に届け、通信衛星を介してインターネットに配信する。ニコニコ動画では番組「深海5000メートルへの有人科学探査を生中継〜JAMSTEC×ニコ生」として放送する。また本番前日の21日午後8時から9時30分までは「準備編」を放送し、「しんかい6500」の構造の仕組みや本番の見どころなどを紹介する。今回の放送はフルオープン配信のため会員登録は不要だ。

「しんかい6500」からのネット中継のしくみ (提供:海洋研究開発機構)
「しんかい6500」からのネット中継のしくみ (提供:海洋研究開発機構)

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