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ウミウシの“使い捨て”ペニス

掲載日:2013年2月26日

チリメンウミウシの交尾。互いに反対向きとなり、間の細い管がペニス
チリメンウミウシの交尾。互いに反対向きとなり、間の細い管がペニス
(撮影:大阪市立大学・関澤さん)

海にいる軟体動物のウミウシの一種「チリメンウミウシ」は交尾が終わるごとに自分のペニスを切り捨て、24時間後に再び生えてきて交尾可能となることが、大阪市立大学大学院理学研究科の志賀向子(さきこ)教授や大学院後期博士課程3年の関澤彩眞(あやみ)さん、日本大学の中嶋康裕教授らの共同研究で分かった。“使い捨て”ペニスを持つような動物は、他に知られていないという。研究論文が英王立協会の学術誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された。

ウミウシは雌雄同体で、1つの体に両性の生殖器を持つ。交尾の時は2つの個体が互いに反対向きに並んで、それぞれにペニスを伸ばして精子を注入する。研究グループは沖縄県の海でチリメンウミウシを採集し、計108のペアを水槽内で観察したところ、交尾して離れてから15分から30分後までに、自分のペニスを切り捨てていた。さらにその後、別の相手のいる水槽に入れても、少なくとも24時間は交尾をしなかった。

解剖して調べたところ、ウミウシの雄の生殖器は、交尾3回分の長さのペニスがらせん状に巻かれ、圧縮されたように体内に収納されていた。また、切り捨てられたペニスの表面は、挿入方向とは逆向きに無数のとげに覆われ、その“逆さとげ”に精子の塊が付着していた。

“逆さとげ”によって、一度伸ばしたペニスを体内に戻せなくなり、ペニスを使い捨てにしているとみられる。さらに自分の精子を使ってもらうために、“逆さとげ”によって、ライバルによる以前の交尾で貯蔵された精子塊を、かき出している可能性も考えられるという。

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