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逆止弁に塩 「あかつき」金星周回軌道投入失敗の原因

掲載日:2011年7月1日

金星探査機「あかつき」が昨年12月金星に近づきながら周回軌道投入に失敗した原因は、燃料と酸化剤の反応で塩(硝酸アンモニウム)が生成し、逆止弁を閉じた可能性が高いという調査結果を宇宙航空研究開発機構がまとめ、6月30日宇宙開発委員会に報告した。

宇宙航空研究開発機構は、「あかつき」の金星周回軌道投入失敗の直後に、高圧ガスタンクと燃料タンク間に設置された逆止弁が何らかの原因で閉じたため、軌道制御エンジンへの燃料供給が減少し、燃焼異常かスラスタ(エンジン)ノズルの破損を起こしたと推定される、という調査結果を公表していた。

その後の調査で、窒素と水素の化合物である燃料(ヒドラジン)と、窒素と酸素の化合物である酸化剤が反応して硝酸アンモニウムができ、弁に付着する可能性があることが分かった。燃料と酸化剤は通常の燃焼反応であれば窒素と水しか生成しない。しかし、酸化剤と燃料の蒸気が混合すると水ができずに硝酸アンモニウムができてしまうことが実験で確かめられた。この原因は逆止弁で微小な隙間から酸化剤のガスが漏れ出すことだけを想定し、弁シール部の高分子材料内部をガスが透過する可能性を考慮していなかったため、と宇宙航空研究開発機構は報告している。

「あかつき」は現在、太陽を回る軌道を飛行中で、4年後の2015年11月に金星に再接近する。宇宙航空研究開発機構は、この時点で再度金星周回軌道への投入を試みるため、スラスタ(エンジン)ノズルが破損しているとみられる軌道制御エンジンの再使用と、姿勢制御エンジンを使用する2つの可能性を探り、今後、「あかつき」のエンジンのテスト噴射を計画していることも明らかにした。

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