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約30キロ離れた地点でも被ばく線量『屋内退避』の指標値に

掲載日:2011年3月28日

原子力安全委員会は27日、文部科学省が公表した福島第一原子力発電所周辺の放射線量測定結果についての評価を公表、その中で、原子力発電所から北西方向約30キロの距離にある区域(浪江町内)でもこれまでに受けた放射線量が10-50ミリシーベルトに達した可能性があることを明らかにした。

原子力安全委員会の「原子力施設等の防災対策についてによると、住民に「屋内退避」を求める指標を「その地点で屋外に居続けた場合に予測される外部被ばく線量が10-50ミリシーベルトに達した場合」としている。政府は既に福島第一原子力発電所の周辺20キロの範囲の住民に「避難」、20-30キロの範囲の住民に「屋内退避」を指示し、さらに25日には「生活支援」を理由に屋内退避対象地域の住民に「自主避難」を勧める措置をとった。

原子力安全委員会の評価は、屋内退避の目安となる外部被ばく線量を受けている地域が30キロ以内に収まらない可能性を示唆したように見えるが、「その地域は限定的であり、現時点では屋内退避地域を変更する状況にはないものと考える」と判断している。

同委員会はまた、「20キロ以遠に局所的に比較的高い線量率が観測されている測定個所が認められるが、健康に影響を及ぼすものではないと」と言っている。

「原子力施設等の防災対策について」では、屋内退避、避難など防護対策をとる指標として外部被ばく線量のほかに、「放射性ヨウ素による小児の甲状腺の等価線量」など3種類の内部被ばく線量も定めている。外部被ばく、3つの内部被ばく線量の値が異なった場合は、最も高い値に合わせて防護対策をとる、とより安全を重視しているのが特徴だ。また、被ばく線量の指標については「なんらかの対策を講じなければ個人が受けると予想される線量(予測線量)または実測値としての飲食物中の放射性物質の濃度」で示すとしており、「予測線量」は、「異常事態の態様、放射性物質または放射線の放出状況、緊急時モニタリング情報、気象情報、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)などから推定する」としている。 

原子力安全委員会が23日から公表している「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算についてによると、「放射性ヨウ素による小児の甲状腺の等価線量」の屋内退避指標である100-500ミリシーベルトに達していると試算される区域が、24日午前零時の時点で、既に福島第一原子力発電所の30キロ以遠にまで広がっていることが分かる。

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