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『あかつき』失敗燃料系逆止弁閉鎖が原因

掲載日:2010年12月28日

軌道投入に失敗した金星探査機「あかつき」の故障は、燃料系の逆止弁が何らかの原因で完全に閉じてしまったか、半開きになり軌道制御エンジンへの燃料供給が減少、燃焼異常ないしスラスタ(エンジン)ノズルの破損を起こしたと推定される、という調査結果を宇宙航空研究開発機構がまとめ、27日宇宙開発委員会に報告した。

「あかつき」は2液系推進系を採用しており、燃料タンクと酸化剤タンクからそれぞれ送り込まれた燃料と酸化剤が軌道制御エンジン燃焼室で燃焼し、推力を得る。燃料タンク、酸化剤タンクに高圧のヘリウムガスを送って燃料、酸化剤を押し出すため、高圧ガスタンクを持つ。逆止弁は高圧タンクと燃料タンク、高圧タンクと酸化剤タンクをそれぞれ結ぶ配管の途中に設けられている。燃料、酸化剤の蒸気が高圧ガスを供給する側で混合し、爆発する危険を防止するのが役目だ。

異常を起こしたのは、高圧ガスタンクと燃料タンク間に設置された逆止弁。この弁が完全ないし半開きの状態になった結果、軌道制御エンジン燃焼室への燃料の流量が低下-燃焼室での混合比が設計条件を逸脱-スラスタノズルの破損あるいは燃焼の異常-探査機にトルク(回転する力)発生-探査機の姿勢異常発生-規定以上の姿勢異常判定指標が5秒以上発生-自律制御による軌道制御エンジン燃焼停止、という事態が生じた、と宇宙航空研究開発機構は推定している。

同機構は、今後、逆止弁がなぜ閉じたかの原因究明などを進めるとともに、金星への軌道再投入の可能性についても検討するとしている。

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