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赤外線天体観測データ世界に公開

2010.03.31

 宇宙航空研究開発機構と東京大学は30日、赤外線天文衛星「あかり」が観測した天体情報を集めた「赤外線天体カタログ」を世界の研究者向けに公開した。約130万天体、全天の96%をカバーする大規模データベースで、20年以上前から利用されている米英オランダ共同開発の赤外天文衛星「IRAS」の「カタログ」に比べ5倍豊富で、より高い解像度、感度、波長域の情報が含まれている。

 今後、赤外線天文分野だけでなく多くの天文研究者に利用され、地上望遠鏡から天文衛星までさまざまな天文台で観測計画のもとになるカタログとしても重用されるとみられる。

 赤外線は比較的低温の星や暗黒星雲、あるいはそれらの集合体である銀河などからも放射される。可視光より透過力が高いため、光では見えない領域を観測するのにも適しており、既に「あかり」の観測結果を基にいつどのくらい、どのように星が生まれてきたのかを調べる研究や、太陽以外の星の周りで惑星が作られつつある場所を見つけ出すなどの成果が得られている。

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