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地方大学をイノベーションの核に 新プログラム発足

2009年11月17日

地域・大学、卓越研究者チーム、イノベーション創出をキーワードとする科学技術振興機構の新プログラムがスタートし、長野県・信州大学と山形県・山形大学が最初の拠点に採択された。

新プログラムは、まず内外で抜きんでた評価を得ている研究者を抱える地方大学で、さらにこの中核研究者に加え内外から3人の卓越した研究者を招くめどのある大学が採択条件となっている。年2億2,000万円の委託費(間接経費を含む)を5年間、科学技術振興機構(JST)が支出、地域は大学、自治体、企業が連携し、JSTの委託費(直接費)の2分の1を支出することが求められる。

5年間のプロジェクト終了後、5年で企業化が見込めるテーマであることも条件となっているため、中核研究者はそれに十分こたえられる独創的でかつ企業化の明確な目標を持ち得る研究実績と能力を有することが求められる。

プログラム初年度に採択された信州大学の中核研究者、遠藤守信・工学部教授兼カーボン科学研究所長は、ナノカーボンをベースに新たに異種原子などを導入した研究で内外に知られる。米国、メキシコなどから3人の卓越研究者を招聘(へい)してチームを結成、企業とも連携し、高性能エネルギー貯蔵デバイスや超高機能複合材をはじめとした「エキゾチックナノカーボン」研究を推進して新地域産業の創出も目指す。

山形大学の中核研究者、城戸淳二・大学院理工学研究科教授は、有機エレクトロニクスの研究業績で内外に知られる。有機太陽電池分野、有機トランジスタ分野の卓越した研究者を国内外より招聘し、有機エレクトロニクス分野全体をカバーする国際的研究拠点を形成、「大面積」「フレキシブル」「安価」という有機エレクトロニクスの長所を活用した製品の実用化と、山形県への関連産業の集積を目指す。

産学連携が十分な成果を挙げていないという指摘ととともに、旧帝大を中心とするごく少数の大学に研究費と人材が集中していることの弊害を懸念する声が強まっている。JSTの新プログラムは、産学連携による地域の産業育成・活性化に加え、特定分野に強い地方大学を増やしていくことで日本全体の大学のレベルアップやイノベーション創出能力を高めることを狙っている。

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