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オキナワトゲネズミ30年ぶり実物確認

掲載日:2008年3月6日

捕獲されたオキナワトゲネズミ
捕獲されたオキナワトゲネズミ
(提供:森林総合研究所)

絶滅が心配されていた沖縄本島北部地域(やんばる)だけに生息する天然記念物、オキナワトゲネズミがWWFジャパンなどの調査で、30年ぶりに捕獲され、生息が確認された。

オキナワトゲネズミは、体長15センチほどで赤褐色の毛で覆われ、背中に白色の尖った扁平の毛があるのが特徴。イタジイなどの広葉樹林に生息するといわれているが、近年、実物を見た人はなく、ノネコの糞に含まれていた体毛から生息が推測されたのが5年前。自動カメラで確認されてからも15年が経過していた。1998年に環境省のレッドリストで絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧IA類」に指定されている。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでも、絶滅寸前のランクであるCR(近絶滅種)に記載されている。

3日に調査チームが仕掛けたわなにかかったのは、雌の成獣で、体重は139グラムだった。遺伝分析に使うための皮膚細胞を採取した後、直ちに解放され、元気に森に帰っていった、という。

WWFジャパンは「南西諸島生物多様性評価プロジェクト」の一環として、2007年からオキワナトゲネズミの捕獲調査を開始した。トゲネズミの仲間で同じく天然記念物に指定されているアマミトゲネズミを奄美大島で捕獲した経験のある森林総合研究所に委託し、トゲネズミが生息していそうな森林にこれまで2,000回以上のワナを仕掛けたが空振りに終わっていた。2月28日になって、自動カメラにトゲネズミらしいものが写っているという情報が得られたことから、撮影された場所に捕獲地を移動したところ、今回の捕獲につながった。

採取された皮膚細胞は北海道大学で遺伝分析に利用される。WWFジャパンは今後も捕獲調査を続け、オキナワトゲネズミが生息するやんばる地域の保全対策を関係者と検討するとともに、南西諸島全体の特異な生物多様性の保全に役立てて行きたいと言っている。

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