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ロケット戦略は小型化重視の必要も?

掲載日:2007年5月11日

大型ロケットのみの宇宙開発は、巨大戦艦の武蔵や大和だけで艦隊を編成するようなもの-。林友直・千葉工業大学総合研究所教授が、ロケット開発戦略に小型ロケット、小型衛星も重視する新たな路線を求める提言を、読売新聞11日朝刊の解説欄に寄せている。

林氏は、宇宙科学研究所(当時)副所長や宇宙開発事業団(当時)非常勤理事などを歴任したロケット工学者だ。

林氏は、近く策定される日本のロケット戦略で小型ロケットの開発が検討されていることについて、「現在の案ではなお大型の域を脱していない」とし、大型ロケットのみを基盤とする宇宙開発は「衛星を利用する側の意向の入る余地のない、柔軟性に乏しい仕組みとなる」と指摘している。

さらに電子技術の小型集積化が進んでいるにもかかわらず、こうした部品を活用したロケットや衛星の小型化につながっていない現状の解決策として「小型の衛星を短期間で開発し、打ち上げることが望まれる」としている。小型集積化された部品が「地上で高い信頼性で働いても、宇宙できちんと動作するかどうか」を速やかに確かめる必要があるからだ。

この問題については、当サイトの1日のニュース「民生用部品で衛星の低価格狙いガイドライン」でも紹介したように、無人宇宙実験システム研究開発機構が、衛星のコスト低下を狙い、プロセッサなどの民生用電子部品を人工衛星に使用するガイドラインを公表している。2003年10月に打ち上げられた民生部品実証衛星(SERVIS)1号機が、いくつかの民生用電子部品を搭載し、宇宙での使用に耐えられるかどうか調べたデータが、ガイドラインの基になっている。

この民生部品実証衛星(SERVIS)1号機のことを指していると思われるが、林氏は、「実はこれまでにもこうした目的の衛星が打ち上げられたことがある。飛行データを、今後の衛星設計に役立てることが期待されている。だが、比較的大きな衛星だったこともあって、設計から飛行までに長い時間がかかり、宇宙での部品データを取得したときには、その部品が既に製造中止になっている例もあった」と書いている。

無人宇宙実験システム研究開発機構が計画している次の民生部品実証衛星(SERVIS)2号機の打ち上げは、2009年の予定。1号機と2号機の間の6年間もまた、電子技術の進歩の速さに比べると、長すぎるということになるのだろうか。
(読売新聞の引用は東京版から)

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