レビュー

利根川教授、研究所所長辞任の真相は ?

2006.11.21

 11月18日付け東京新聞夕刊2面に「ノーベル賞・利根川教授 MITの研究所所長 学内抗争?で辞任へ」の見出しで、利根川教授が年内にマサチューセッツ工科大学(MIT)の「ピカウァ学習記憶研究所」所長を辞任する、との同紙ワシントン特派員の署名記事が載っている。

 記事はほとんど地元紙「ボストン・グローブ」からの転電(引用)で、「利根川教授は、大学内にあるピカゥアのライバル研究所から採用の誘いを受けた女性研究者に“あなたがここ(MIT)に若手職員としていることを快く思わない”と電子メールを送ったとの疑惑が浮上」したという。

 記事はさらに「学内調査は今月2日、利根川教授の行為を不適当な働き掛けと認定。また調査は、この研究者の採用過程から利根川教授が排除されたことに一因があるとして、教授に一定の理解を示した」と続く。

 しかし、引用の悲しさ、どうも事件の本筋がよく分からない。ウエッブで当の「グローブ」の記事を読んでも、今一、釈然としない。

 日本の各紙の続報に着目したが、翌19日付けの朝日新聞は「利根川進教授 MIT所長辞任へ」というベタ記事のみ。“学内抗争”のことは全く触れていない。いよいよ分からなくなってきた。

 ここはぜひ、ワシントン駐在の科学記者の詳しい記事に期待するほかはない。

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