ニュース - 速報・レビュー(ニュース速報) -

スタチン発見の遠藤氏がガードナー国際賞受賞 東京農工大で喜びの記者会見

掲載日:2017年3月31日

生物医学の研究で重要な発見をした研究者に贈られるガードナー国際賞の今年の受賞者にコレステロール値を下げる薬の開発につながった物質「スタチン」を発見した遠藤章(えんどう あきら)東京農工大学特別栄誉教授(83)が選ばれた。同大学が30日発表した。遠藤氏は同大学(東京都府中市)内で記者会見して喜びを語ったほか、「大きな夢と目標を持って努力してほしい」と若い研究者を激励するコメントも発表した。授賞式は10月にカナダのトロントで開かれ、賞金10万カナダドルが贈られる。

遠藤氏は1957年に東北大学農学部を卒業後に製薬会社の三共(現・第一三共)に入社。同社の研究員だった時代に、体内でコレステロール合成に関係する酵素を阻害する物質「スタチン」を青カビの培養液から発見した。この発見が血中のコレステロール値を下げる高脂血症薬の開発につながった。これまでにラスカー賞、日本国際賞なども受賞し、2011年には文化功労者に選ばれている。

ガードナー国際賞はカナダのガードナー財団が生物医学の研究者を対象に毎年贈る賞で1959年に創設された。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥(やまなか しんや)京都大学iPS細胞研究所長・教授や、微生物から感染症の薬を開発した北里大学の大村智(おおむら さとし)特別栄誉教授ら、ノーベル医学生理学賞受賞者も数多く受賞している。同財団は28日にガードナー国際賞を遠藤氏に授与すると発表していた。

遠藤氏は30日に記者会見したほか以下のようなコメントを発表した。

遠藤氏コメント(全文)

受賞の連絡をいただいたときは、とても驚きました。このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。私の若いころ、1960年代70年代の研究環境は、とてものんびりしたものでした。自分の好きな研究を自分の好きなペースででき、非常に熱心に研究することができました。そういった環境が、スタチンの開発につながったのだと考えています。今の若い人たちには、ぜひ大きな夢と目標を持って、それに向かって努力してほしいと思います。夢はタダですから。大きい夢を軌道修正して小さくすることは可能です。でもはじめから小さい夢だったら小さくしようがありません。ですから、なるべく大きい夢を持ってほしいと思います。それから、外国での生活を1年か2年、半年でもいいですから、経験してほしいです。日本を外から客観的に見ると、どこが日本で足らないか、どこが行き過ぎなのかがよく見えてきます。そういう国際人にならないといけない時代になっているように感じます。そして、一人でも多くの科学者に育ってほしいと思います。

写真 30日、東京農工大学内で記者会見する遠藤章氏(提供・東京農工大学)
写真 30日、東京農工大学内で記者会見する遠藤章氏(提供・東京農工大学)
ページトップへ