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気候変動で農業従事者ら1.2億人が貧困に FAOが報告書

掲載日:2016年11月18日

温室効果ガスによる気候変動の影響で貧困に陥る人が発展途上国の農業従事者を中心に2030年までに最大1億2千万人増えるとの報告書を、国連食糧農業機関(FAO)が18日までにまとめた。報告書は15日からモロッコで開かれている「パリ協定」の第1回締約国会議(CMA1)に向けてまとめられ、「食料安全保障」の観点からも気候変動対策の重要性を強調している。

報告書は「THE STATE OF FOOD AND AGRICULTURE」と題し173ページ。気候変動が世界の農業にもたらす深刻な影響と対策実施の緊急性などを詳述している。この中で最も深刻なのはアフリカのサハラ砂漠より南の地域の国々で、このほか南、東南アジアも含めた世界各国の発展途上国の農業に被害を及ぼす、と指摘。干ばつなどによって農業生産が不安定になるとして、これらの地域の途上国の対応力を強化するための支援策を要請した。特に先進国には途上国の農業構造変革に必要な資金支援を求めている。

世界の農業分野からの温室効果ガスの排出量は産業分野全体の2割を占める。報告書は、技術力を活用した農法など農業生産方法を改革する必要性に詳しく触れた。例えば、地中の栄養を効率的に吸収する農作物や、暑さに強い農作物を導入することで農業生産性を維持、向上できる、などと解説している。

FAO報告書「2016 THE STATE OF FOOD AND AGRICULTURE」の表紙(FAO提供) FAO報告書「2016 THE STATE OF FOOD AND AGRICULTURE」の表紙(FAO提供)
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