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健診データで心筋梗塞、脳梗塞リスクを予測 がん研究センターが簡易システム開発

2016.05.24

 健康診断データを入力するだけで心筋梗塞と脳梗塞を発症するリスクが簡単に分かるチェックシステムを開発した、と国立がん研究センターなどの研究グループが23日発表した。誰でも専用サイトにアクセスして調べることができる。研究グループは「リスクを把握して発症予防に役立ててほしい」としている。

 研究グループは、健康状態の判断に必要なデータが揃った15,672人を1993年から約16年間追跡調査し、心筋梗塞になった192人と脳梗塞になった552人の健康診断データを解析した。その結果、性別、年齢のほか、現在たばこを吸うかどうかや、降圧剤服用の有無、糖尿病治療の有無、血圧、コレステロール値など、健康診断の典型的な項目を変数として入力するだけで10年以内に心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクをパーセントで予測できるシステムができることが分かった。これを40歳から69歳までの男女なら誰でもアクセス、利用できるチェックシステムとして開発。11,598人を対象に検証してリスク予測システムとしての有効性も確認した、という。

 発表資料の例では、54歳の男性で、喫煙し、最大血圧が153、善玉コレステロールが35、空腹時血糖値が132で、これら指定項目の数値を入力すると10年間で心筋梗塞を発症するリスクは12.6%、脳梗塞発症リスクは9.7%との結果になった。

 研究グループは、10%を超える発症リスクは「かなり高い」としている。

 (このシステムにアクセスするためのアドレスは下記)

(絵図 国立がん研究センター提供)
(絵図 国立がん研究センター提供)

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