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世界の糖尿病人口4億2千万人に WHOが対策実施求める

2016.04.08

 世界保健機関(WHO)は、世界の糖尿病人口が4億2,200万人に達したとする報告書を8日までに発表した。2014年段階の推計値で、1980年の同1億800万人と比べて4倍近く増えている。WHO のチャン事務局長は報告書の中で「糖尿病人口の増加を止めるために、われわれ自身が毎日の生活習慣を見直し、健康的な食事や運動をして、過度の体重増加を避ける必要がある」と各国に糖尿病対策の実施を求めた。

 報告書によると、世界全体の18歳以上人口に対する糖尿病人口の割合は1980年の4.7%から2014年には8.5%に増加。アフリカ地域など中低所得国での増加が目立っている。また3人に1人は体重過多で、10人に1人は肥満という。

 糖尿病による死者は12年段階で1,500万人。高血糖による死者も220万人に上り、こうした死者の死亡年齢は43%が70歳未満だった。この調査結果を受けてWHO担当者は「糖尿病は防止できる」と強調、健康的な生活習慣と糖尿病の早期発見と適切な治療を行うための政策を各国に求めた。

 今回のWHO報告は触れていないが、日本の状況について政府が5年ごとに実施している「国民健康・栄養調査」2012年版によると、「糖尿病が強く疑われる人」は約950万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約2050万人と推計され、増加傾向にある。重症化するとインスリン投与や人工透析が必要になり医療費の一層の拡大につながる。特に糖尿病性腎症がさらに悪化して人工透析が必要になると年間約500万円の医療費がかかるとされる。

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