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世界の結核患者1年で新たに960万人 WHOが報告書

2015.10.29

 世界保健機関(WHO)は28日、結核に関する報告書を発表し、2014年の1年間に世界で新たに結核に感染した患者が推定960万人、結核による死者が約150万人に上ったと発表した。死者の内訳は成人男性が89万人、成人女性が48万人、子どもが14万人。死者のうち約40万人がエイズウイルス(HIV)感染者で、結核とHIVとの二重感染が深刻であることを示した。

 報告書は一方、2000年から世界で結核対策への取り組みが始まって以来、世界で約4300万人が診断や治療で救われた、と強調した。

 結核は、結核菌による感染症で、患者のせき、くしゃみなどにより感染する。初期段階の症状は風邪に似ているが、悪化するとだるさや胸痛などの症状が出る。発症したエイズ患者の次に死者が多く、ほとんどは発展途上国。またエイズ患者は感染リスクが数十倍高くなり、エイズ患者の4人に1人は結核で死亡している。日本でも厚生労働省が「国内最大の感染症のひとつ」と位置付けて高齢者を中心に注意を呼びかけている。

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