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火山研究体制強化を 防災基本計画修正

2015.07.08

 政府の中央防災会議(議長・安倍首相)は7日、土砂災害、火山災害、複合災害の対策を強化した防災基本計画の修正を決定した。

 火山災害への対策の強化では、2014年9月に57人の死者を出した御嶽山噴火災害の教訓を踏まえ、登山者への伝達手段を多様化するなど火山防災情報の伝達体制強化や、火山防災教育と火山に関する知識の普及が、盛り込まれた。

 さらに、火山監視・観測体制の強化と併せて、火山研究人材を確保・育成するための人材育成プログラム構築など、火山研究体制の強化も入っている。

 文部科学省の科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会は、昨年11月に公表した「御嶽山の噴火を踏まえた火山観測研究の課題と対応について」の中で、「プロジェクト研究などを通じて、特にポスドク人材の涵養(かんよう)を図る」、「海外からの研究者の招聘(しょうへい)、共同研究、若手人材の海外研修・派遣などをさらに推進する」といった火山研究者の育成策を提言している。観測を基盤として火山噴火現象の解明や火山噴火予測研究を担っている火山研究者が約80人(うち大学47人)にすぎない現状も紹介し、特に若手研究者が少ないことから、将来、観測研究を担う火山研究者の減少が懸念される、としていた。

 また、中央防災会議防災対策実行会議火山防災対策推進ワーキンググループも今年3月にまとめた報告書「御嶽山噴火を踏まえた今後の火山防災対策の推進について」の中で、「プロジェクト研究を通じたポスドク人材などの確保・育成、火山研究分野全体の活性化を進めるとともに、これらについて具体的な検討の場を設置する」ことを求めていた。

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