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3Dプリンター製造の人工骨EUで製造・販売へ

2015.05.08

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援により3Dプリンターで成形する人工骨を開発したネクスト21が、オランダXilloc社と欧州連合(EU)諸国で製造・販売に関するライセンス契約を締結した。

 NEDOが7日明らかにしたところによると、ネクスト21は欧州での製造販売登録に必要な製造適合性資料をXilloc社に提供し、Xilloc社が欧州連合指令93/42EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、EC諸国での製造・販売を開始する。

 カスタムメイドの人工骨CTボーンは、ネクスト21がNEDOの支援を受けて、東京大学、理化学研究所などと共同で開発した(2014年4月9日ニュース「3Dプリンター成形の人工骨を承認申請」参照)。NEDO「産業技術実用化開発助成事業」で前臨床試験を行い、医療基盤研究所(NIBIO)の支援で臨床試験も実施済みだ。

 人工骨を用いた移植は、患者自身の足や腰の骨を取り出して、欠損部分の形状に合うよう削って成形する自家骨を用いた移植に比べ、患者の負担が小さい。ただ、熱処理で焼結した塊から工作機械で成形する従来のカスタムメイド人工骨は、患者の骨と癒合しにくいといった問題を抱えている。人工骨CTボーンは、熱処理をしていないので、自骨への癒合が早く、優れた治療効果を出すのが特長、とNEDOは言っている。

提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、ネクスト21

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