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早く老いるサル発見、早老症のモデルに

掲載日:2014年11月4日

若くして老化が急速に進むニホンザルを、京都大学霊長類研究所の大石高生(おおいし たかお)准教授と高田昌彦(たかだ まさひこ)教授らが発見した。ヒト以外の霊長類で、自然に発症する早老症が見つかったのは初めて。早老症研究の新しいモデル動物になると期待される。11月3日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。

研究グループは、同研究所で飼育しているニホンザルの中に、変わった外見の雌の子ザルを見いだした。ニホンザルは通常3歳半で思春期を迎え、25歳程度で老齢に達するが、この子ザルは1歳未満で白内障や皮膚の萎縮を発症し、1歳半で脳が萎縮、2歳半で糖尿病の初期症状を示した。このサルは昨年、早老症とは別の内臓疾患で、3歳で死んだ。

MRI、CT、血液や尿の生化学検査、皮膚の組織学的検査、遺伝子検査などを行い、正常な子ザル、オトナザル、老齢ザルと比べた結果、この子ザルは、白内障、皮膚の萎縮、大脳皮質や海馬の萎縮、神経の伝導速度の低下、糖尿病マーカーの増加など、老齢ザルや早老症患者と共通の性質を示した。また、皮膚から培養した細胞は増殖速度が低く、DNA修復能力も低下していた。これも早老症患者と共通していた。

ただ、詳しく検討すると、ヒトの症状と完全には一致せず、ヒトの早老症の原因遺伝子に異常もなかった。このため、ヒトで報告されている早老症とは異なったタイプの早老症とみられる。早老症や正常老化の仕組みを研究するのに役立つモデル動物になる可能性がある。

大石高生准教授は「ニホンザルはマウスなどよりはるかにヒトに近い発達・老化パターンを持つ。今後は、このサルの早老症遺伝子を探索して、正常の老化や早老症の仕組みを解明したい。霊長類研究所でニホンザルのiPS細胞の作製を試みているプロジェクトと連携し、この子ザルが残した培養細胞から作製されるiPS細胞をさまざまな細胞に分化させて、早老症の研究に取り組んでいく」と話している。

早老症のニホンザル
写真. 早老症のニホンザル
(提供:京都大学霊長類研究所)
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