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佐渡で新種のサドガエル

2012.12.19

新潟県・佐渡島に生息する新種「サドガエル」
新潟県・佐渡島に生息する新種「サドガエル」 (提供:三浦郁夫・広島大准教授)

 広島大学大学院理学研究科・両生類研究施設の三浦郁夫准教授らの研究グループは、新潟県・佐渡島に生息するカエルが新種と分かり、「サドガエル(Rugosa susurra)」と命名。その関連論文が、国際的な動物分類学誌「ズータクサ(Zootaxa)」(7日、オンライン版)に掲載されたことを明らかにした。野生種の宝庫とされる南西諸島を除く、日本の本州や近隣離島で、カエルの新種が発見されたのは22年ぶりという。

 このカエルは、新潟大学の朱鷺・自然再生学研究センター、関谷國男・協働研究員(元・理学部助教)が1997年5月に、佐渡島西岸付近の水田で発見した。その後、広島大学・両生類研究施設の三浦准教授や大谷浩己・元助教、横浜市繁殖センター技術職員の尾形光昭さん(理学博士)ら遺伝学や形態学、生殖学、進化学的な共同調査・研究を行っていた。

 その結果、このカエルの体長は、オス3-4センチメートル、メス4-5センチメートル。同島や本州などにいる「ツチガエル」に似ているが、「腹側が濃い黄色」「あごに斑点模様がほとんどない」「体全体がなめらか」「オスには鳴嚢(めいのう)がない」といった外部形態の特徴があり、さらにツチガエルとは、ミトコンドリア遺伝子の配列に明確な違いが存在すること、ツチガエルとの人工雑種はほぼすべてが生殖能力のないオスとなること、鳴き声が異なることなどの理由で、新種と判断されたという。

 ちなみに、学名の「susurra」(ススッラ)はラテン語で「ささやく」の意味。サドガエルのオスは、佐渡島の春から初夏にかけての繁殖シーズンに、池や水田のほとりでささやくような、おっとりした声でメスを呼ぶのだという。

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