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カナダの巨大隕石衝突、日本で証拠発見

2012.11.06

 今から約2億1500万年前にカナダ東部で起きた巨大隕石衝突の証拠が、岐阜県坂祝(さかほぎ)町の木曽川河床の岩石から見つかった。鹿児島大学大学院理工学研究科の尾上哲治助教を中心とする東北大学、茨城大学、首都大学東京、日本原子力研究開発機構の研究チームが発表した。この隕石衝突が、北米の動植物の絶滅の原因となった可能性が高いという。論文は5日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)のオンライン版に掲載された。

 研究チームは、太古の海底地層が露出した木曽川右岸河床の三畳紀後期(約2億1500万年前)の地層を調査した。その結果、放散虫などの二酸化ケイ素の骨格をもつ海洋プランクトンの死骸が固まってできた珪質堆積岩(チャート)層の間に挟まれた粘土層から、直径が1ミリメートル以下の「スフェルール」と呼ばれる球状粒子を複数発見した。

 このスフェルールの結晶構造を放射光X線回折によって分析し、構成元素の種類や含有量を電子線マイクロアナライザなどで調べたところ、地球表層にはごく微量しか存在しないイリジウムやルテニウム、白金などの6種類の白金族元素が、通常よりも最大で1000倍も多く含まれていた。これらは巨大隕石の衝突によってもたらされたものと考えられ、他の研究で隕石衝突が起源とされる「ニッケルに富むマグネタイト」という鉱物も、スフェルールに含まれていることが分かった。

 同時期に形成された隕石衝突跡としてはカナダ・ケベック州の「マニクアガン・クレーター」(直径約100キロメートル)が知られており、研究チームは発見した地層の白金族元素や鉱物は同クレーター由来の堆積物であるとみている。また同時期の北米の地層からはアンモナイトや陸上の動植物の絶滅が認められることから、この巨大隕石の衝突が絶滅の原因となったが、海洋プランクトンはその影響を受けず、多くの種が生き延びたようだという。

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