ニュース

4,700万年前の交尾中のカメ

2012.06.26

 ドイツやスイスの研究チームが、4,700万年前には火山のカルデラ湖だったドイツ南部の地層から、交尾をしたままのカメ(スッポンモドキ科)の化石を発見した。英科学誌「Biology Letters」(オンライン版、20日付)に発表したもので、交尾した脊椎動物の化石が見つかったのは世界でも初めてという。

 化石が発見されたのは、ダルムシュタットとフランクフルトの間にある、ユネスコの世界遺産に登録された「メッセル・ピット」という地域。これまでにも多種多様な化石が見つかっている。

 研究チームは、オス、メスのつがい9組の化石を発見し、そのうちの2組の互いの甲羅の向きや、しっぽをからめた様子などから交尾中だったと断定した。

 これらのカメたちの死亡原因には、火山性ガスや有機物の腐敗による毒の湖水への溶融が考えられる。カメたちは初めは安全な表面付近にいたが、交尾し合っているうちに、毒のある深みにはまり込んだものと、研究チームは推測している。

ページトップへ