ニュース

大学、企業製作の小型衛星4個来年度相乗り打ち上げ

2012.03.29

 2013年度に予定されている陸域観測技術衛星2号「ALOS-2」打ち上げの際、ロケットの余剰能力を利用して小型衛星4個を同時に打ち上げることが決まり、28日宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。

 4個はいずれも重さが27-50キロ、容積は縦、横、高さが50センチ以下という小型軽量衛星。日本大学の宮崎康行理工学部教授が実施責任者となる「SPROUT」は、内部の窒素で膨み伸縮するチューブと、薄膜からなる「複合膜面構造物」(1辺1.5メートルの正三角形)を地球周回軌道上で広げるほか、アマチュア無線家たちが衛星を利用して写真撮影・画像送受信などができる機能を持つ。

 また、坂本祐二・東北大学大学院工学研究科助教が実施責任者の「RISING-2」は、地上5メートルの物体を識別できる「高解像度地球撮影」機能を持つ。

 他の二つは、山火事監視を目的にした熱異常検知機能を持つ「UNIFORM-1」(実施責任者・秋山演亮・和歌山大学宇宙教育研究所長)と、小型衛星標準バスの実証を目的とする「SOCRATES」(実施責任者・富田一正・株式会社エイ・イー・エス代表取締役)。

 宇宙航空研究開発機構は、小型衛星を相乗りで打ち上げる目的について、大学や企業に打ち上げや運用機会を提供することで宇宙開発の裾野を広げ、人材育成にも寄与できる、としている。これまで東大阪市の中小企業が中心となって作り上げた「まいど衛星1号機」など、2009年と10年の2度、合計10個の小型衛星が打ち上げられている。

関連記事

ページトップへ