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イトカワ粒子の表面に多数のクレーター

2012.02.28

 小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から地球に持ち帰った微粒子の表面に、宇宙のちり(宇宙塵)が高速で衝突してできた多数の小さな穴(クレーター)があることが分かった。大きさが直径1万分の1ミリメートルほどのきわめて微小な穴も見られ、「人類が確認した最小のクレーターではないか」という。分析した岡山大学地球物質科学研究センター(鳥取県三朝町)とJAXA宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)の研究チームが、「米科学アカデミー紀要電子版」(27日付)に論文を掲載した。

 研究チームは、持ち帰ったイトカワ微粒子のうちの5個(大きさ40-110マイクロメートル:1マイクロメートルは1,000分の1ミリメートル)を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、表面には直径が0.1-0.2マイクロメートルの小さな穴が多数見つかり、それらのふちはドーナッツのような形で盛り上がっていた。

 これらの穴は、宇宙空間を飛び交う直径0.01マイクロメートルほどの宇宙塵が秒速40キロメートル以上の高速で衝突してできたと考えられている。

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