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展示用ウラン燃料サンプルから放射線

2012.02.15

 北陸電力・志賀原子力発電所構内にある原子力技術研修センター(石川県志賀町)で使われていた広報展示用パネルのウラン燃料サンプルから、国に未届けの天然ウラン2点計84グラムが見つかったとして、同電力が14日文部科学省に報告した。

 同サンプルは「ウラン燃料の一生」を説明する展示パネルの一部で、同センターが1975年以前に入手し、広報用として数年間使用した。その後は、同センター内で保管していた。

 天然ウラン2点は瓶詰めの二酸化ウラン粉末(11グラム)とケース入りの燃料ペレット(73グラム)。表面の放射線量率はそれぞれ毎時約1.0マイクロシーベルト、約3.9マイクロシーベルトで、人体に影響を及ぼすレベルではないという。

 昨年8月に文部科学省から、在庫量が正確に管理されていない核物質について調査依頼があり、調べた結果、同パネルのサンプル4点から微量の放射線が検出された。このうちの2点が国に未届けだった。他の2点は届け出の必要のない「ウラン鉱石」(天然ウラン1グラム未満、表面の放射線量率:毎時約5.8マイクロシーベルト)と「イエローケーキ」(同3.5グラム、同約0.4マイクロシーベルト)だった。

 同電力は今回判明した核物質について、国際規制物質の使用許可申請や計量管理規定の認可申請などの必要な手続きを改めて行い、今後は志賀原発で保管管理していく。

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