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原発の「緊急事態」を3区分に

2012.02.01

 東京電力福島第一原発事故を受けて、原子力施設防災指針の見直しを進めている原子力安全委員会の作業部会は1月31日、緊急事態を3レベルに区分する「緊急事態区分」(案)をまとめた。

 同原発事故では急速に事態が進展し、放射性物質の放出時期や拡散、継続、影響などの把握が困難だった。「緊急事態区分」は必要な防護措置の迅速な判断基準となるもので、国際原子力機関(IAEA)や米国などの基準を参考に、深刻さが重大な方から「全面緊急事態」「施設敷地緊急事態」「警戒事態」の3区分とした。

 「全面緊急事態」は、炉心損傷や核燃料の溶融が実際に起き、あるいはその可能性が逼迫(ひっぱく)し、格納容器から放射性物質の放出が予想される場合で、原発周辺の予防的防護措置を準備する区域(PAZ)」や放射性物質が流れてくる風下地域などの住民を迅速に避難させる。

 「施設敷地緊急事態」は、公衆を保護するために必要とされるプラントの機能が喪失し、あるいはその可能性が高い場合で、施設敷地内の人の防護措置を行い、施設敷地外での防護措置の準備を迅速に行う。

 「警戒事態」は、プラントの安全レベルが低下し、あるいはその可能性がある場合で、施設敷地内では影響の緩和措置を取り、施設敷地外では迅速に対応の準備にあたる。

 こうした緊急事態区分(案)は3月末までにまとめられる中間報告に盛り込まれる。

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