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利用者、地域重視に 総合資源エネルギー調査会委員会が論点整理

2011.12.21

 経済産業省は20日、新しいエネルギー基本計画のため議論を進めている総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の論点を整理した文書を公表した。

 福島第一原子力発電所事故を踏まえ「国民が安心できる持続可能性のあるエネルギー政策の構築」を、計画見直しに求められる視点として最初に掲げている。

 さらに、これまでのエネルギー政策が「安定供給や供給能力の確保を優先し、需要を制御する視点が十分ではなかった」ことを認め、電源の選択肢や省エネ・節電のインセンティブを与えるような需要構造に変え、需要サイドを重視したエネルギー供給構造を目指すべきだとしている。

 また地域の特性に応じた未利用エネルギーの活用など、消費者、生活者、地域を重視したエネルギー政策も求められるとした。

 一方、原子力をどうするかについては、「早期撤退」から「推進」まで委員の間にさまざまな意見があったことを紹介し、「幅広い意見を踏まえ、わが国の将来を真剣に考えた建設的な議論を今後も進めていく」という記述にとどめている。

 政府は、来年夏をめどに新しいエネルギー基本計画を決めることを明らかにしている。総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(委員長・三村明夫新日本製鉄会長)の検討結果は、この基本計画に反映されるが、委員会のメンバーには、従来の総合資源エネルギー調査会と異なり、飯田哲也NPO法人環境エネルギー政策研究所所長、大島堅一立命館大学国際関係学部教授、伴英幸・認定NPO法人原子力資料情報室共同代表など原子力に批判的な委員も入っている。

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