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国会の原発事故調査委員会発足 委員長に黒川清氏

2011.12.09

 国会が設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(委員長黒川清・元日本学術会議会長)が8日、活動を開始した。

 委員会は、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法に基づいて設置された。福島第一原子力発電所事故の経緯と原因の究明と、今後の事故防止、事故が起きた場合の被害軽減策について提言する任務を課されている。半年後に調査結果と提言をまとめる予定。

 福島原発事故に対しては、政府の事故調査・検証委員会委員会(委員長・畑村洋太郎東京大学名誉教授)が5月に発足し、原因調査を進めているほか、政府から独立した民間の福島原発事故独立検証委員会(委員長・北澤宏一・前科学技術振興機構理事長)が、10月から調査活動を始めている。

 国会の事故調査委員会は、これら先行の委員会と異なり、「参考人の出頭を求め、意見を聴取できる」「国の行政機関、地方公共団体、原子力事業者その他に資料の提出を求めることができる」など大きな権限を付与されている。委員会の議論は原則公開される。

 黒川清委員長は、事故直後から政府から独立した機関が原因調査しない限り、国際的には全く信頼されない、ということを強く主張していた。民間の福島原発事故独立検証委員会で7人の委員の1人として調査活動に加わっていたが、国会の調査委員長就任を機に、民間の調査委員会委員は辞める。

 黒川委員長以外の9人の委員は次の通り。

 石橋克彦・神戸大学名誉教授(地震学者)、大島賢三・国際協力機構顧問(元国連大使)、崎山比早子・元放射線医学総合研究所主任研究官(医学博士)、櫻井正史・元名古屋高検検事長、田中耕一・島津製作所フェロー(ノーベル化学賞受賞者)、田中三彦氏(科学ジャーナリスト)、野村修也・中央大学大学院法務研究科教授、蜂須賀禮子・福島県大熊町商工会会長、横山禎徳氏(社会システム・デザイナー、東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム企画・推進責任者)。

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