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明治粉ミルクから放射性セシウム 原発事故後に埼玉県工場で加工

2011.12.07

 株式会社明治は6日、同社の粉ミルク製品「明治ステップ(850グラム缶)」の一部から放射性セシウムが検出されたことを明らかにした。

 放射性セシウムが検出されたのは、賞味期限が2012年10月4日、21日、22日、24日の製品。検出された放射性セシウムの量は、1キログラム当たり22-31ベクレルで、食品衛生法の暫定基準1キログラム当たり200グラムを下回っている。同社は、毎日、乳児が飲んでも健康への影響はないとする一方、該当の賞味期限日製品だけでなく賞味期限が2012年10月の製品全てについて、希望する購入客に新しい製品と交換することを明らかにした。

 新聞、放送、通信社の報道によると、粉ミルクの原料は全て東日本大震災の前、主に海外と北海道で生産されている。東京電力福島第一原子力発電所事故が起きた3月11日の後、3月14-20日に埼玉県春日部市の工場で加工された。外気を取り入れて乾燥させる加工工程で、福島第一原発事故で大気中に放出された放射性セシウムが入り込んだ可能性がある、と明治は説明している。

 ウェブサイト「子供を守ろうSAVE CHILD」によると、東京都立産業技術センターの測定で、3月15日の午前10-11時に都内の大気から1立方メートル当たり124ベクレルの放射性セシウムが測定されている(東京都産業労働局 関連サイト )。また、早川由紀夫・群馬大学教育学部教授の火山ブログによると、福島第一原発から放出された放射性物質の汚染ルートは5経路あり、3月15日午後の飯舘ルート(飯舘-福島-郡山-那須方面)、3月21日の柏ルート、3月20日の一関ルート、3月の女川ルートに加え、群馬ルートがある。群馬ルートは15日午前、放射性物質を含んだ大気がいわき-水戸-東京-沼田-魚沼という経路をたどって流れ、春日部市もこのルート沿いに位置している。

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