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被災地復興で「求職者支援制度」の適用対象拡大提言

2011.09.22

 10月1日に施行される政府の「求職者支援制度」の適用範囲を拡大し、インターンシップ事業やインキュベーショーン事業も含めるなど、東日本大震災被災地の就業支援と産業再生支援に関する提言を日本学術会議がまとめ、21日公表した。

 日本学術会議東日本大震災対策委員会第1部 3.11 以降の新しい日本社会を考える分科会の提言「東日本大震災復興における就業支援と産業再生支援」は、東日本大震災の特徴として、住宅などの個人被害とともに産業界が受けた被害が甚大であることを挙げている。この結果、失職・休業者が宮城、岩手、福島3県だけで少なくとも14 万人余りに上り、被災者が復旧・復興に立ち向かっていくには、早急に被災地における産業の復興と、雇用の機会の確保を実現しなければならない、としている。

 提言は、復興支援事業に地元労働者を積極的に雇用することや、自営業者に対する無担保低金利融資による支援策に加え、他の仕事への転業・転職を目指す人への支援策も検討するよう求めている。また、雇用保険を受給できない失業者を対象に10月1日から施行される求職者支援制度が、新たに起業しようとする人を含めていないことを指摘し、被災地に限りインターンシップ事業やインキュベーショーン事業などのプログラムも制度の支援対象にして、より被災地の産業転換を支援していくことを提言している。

 東北大学を初めとする地元大学の経済学、経営学を専門とする大学教員、研究者が、無償で被災地企業の事業再生に関わるアドバイスにあたるほか、学生を積極的に被災企業へインターンシップとして派遣する復興支援のための産学連携システムを構築することも提言している。

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