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赤崎勇氏に第1回「知的財産特別貢献賞」授与

2011.09.14

 科学技術振興機構が創設した「知的財産特別貢献賞」の第1回授賞式が13日同機構ホールで開かれ、青色発光ダイオード(LED)や高性能青色レーザーの基礎技術を開発した赤崎勇・名城大学 教授(名古屋大学 名誉教授)に表彰状とメダルが授与された。

 赤崎氏の青色LED研究は、大学の研究成果が事業化された代表的な成功例として有名。豊田合成株式会社を開発実施企業として科学技術振興機構の「委託開発(独創的シーズ展開事業)」に選定され、1987年から90年の4年間に5億5,000万円の開発費が支出された。これによる見返りは大きく、豊田合成は95年に事業化に成功、榊原清則・慶應義塾大学 総合政策学部教授によると97年から2005年までの9年間で携帯電話や大型フルカラーディスプレーなど、同社の青色発光ダイオードを利用した応用製品の売り上げは、約3兆6,000億円に達した。日本の産業界に3,500億円弱の付加価値が生み出され、約32,000人の雇用創出、国にも特許の実施料として約46億円の収入をもたらしている。

 青色LEDの市場はその後も拡大しており、赤崎氏自身によると価格性能が蛍光灯を上回った2009年からさらに爆発的に伸びているという。

 赤崎氏は、授賞式のあいさつで、多数の協力者がいたから成し遂げられた成果であることを強調し、「(研究開発・事業化)グループの皆さんと栄誉を分かち合いたい」と感謝の気持ちを表した。さらに、申請手続きのまずさ、書類作成の不慣れなどから、特許を逃した発明があったことにも触れて、国やグループメンバーに対するおわびの言葉も述べた。

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