ニュース

蛍光管からレアアース回収・資源化事業 九州大学が産学官連携で

2011.09.07

 使用済みの蛍光管からレアアースを回収、再資源化するプロジェクトに九州大学、福岡県、企業が共同で取り組むことになった。今年度中の事業化を目指す。

 プロジェクトの基礎となる技術は、平島剛・九州大学大学院工学研究院教授とジェイ・リライツ社が研究を進めてきた回収した蛍光粉のレアアースの濃度を上げる技術と、三井金属鉱業と日本イットリウムが石油天然ガス・金属鉱物資源機構からの委託事業として開発を進めてきた蛍光粉からレアアースを抽出・精製する技術。福岡県リサイクル総合研究センターが、全体調整、進捗管理などのコーディネートを担う。

 蛍光管には、イットリウム、ランタン、セリウム、テルビウム、ユーロピウムの5つのレアアースが蛍光粉として使用されている。光を発するため管内側表面にコーティングされており、蛍光管1本当たり1.4-3.5グラムのレアアースが使われている。

 平島教授らは、九州で1年間に出る使用済み蛍光管の全てが回収されれば、レアアースの回収量は約57トン、金額にすると約25億円になると推定しており、この事業をさらに拡大すれば、輸入に大きく依存しているレアアース資源の安定確保に貢献できるとしている。現在、米国、オーストラリア、ベトナム、カザフスタンなどでレアアースの新規鉱山の開発が進んでいるが、イットリウム、テルビウム、ユーロピウムは中国以外での採掘は難しいと言われている。輸入価格の高騰により、1年前に比べイットリウムは16倍、ランタンは11倍、セリウムは17倍、ユーロピウムは9倍、テルビウムでは7倍に価格が上昇している、という。

関連記事

ページトップへ