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東電女子社員殺人事件弁護団DNA鑑定書新証拠として提出

2011.07.27

 27日付新聞各紙朝刊によると、1997年に東京都渋谷区で東京電力の女性社員が殺害された事件の犯人として無期懲役が確定したネパール国籍、ゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者の弁護団は26日、検察側の開示したDNA鑑定書を新証拠として東京高裁に提出、あらためて再審開始を求めた。DNA鑑定書は、現場のアパートに落ちていた体毛3本がマイナリ受刑者のものとは異なり、かつ被害者の体内から採取された体液と一致したことを示している。

 マイナリ受刑者は無実だとして支援活動を続ける「無実のゴビンダさんを支える会」も同日、「控訴審(東京高裁・高木俊夫裁判長)の逆転有罪(2000 年12 月22 日)の核であった『事件現場のアパートに、ゴビンダ被告以外の人物が被害者と一緒に立ち入ることは考えがたい』という有罪認定の柱が完全に崩壊したことを意味する」という緊急声明を公表し、すみやかに再審開始を決定することと、マイナリ受刑者の釈放を求めた。

 この事件では、アパートのトイレに捨てられていたコンドーム中にマイナリ受刑者の精液が見つかったことが、有罪の根拠の一つとされた。これに対し弁護団からは、精液は事件当日ではなく相当前のもの、という押田茂實・日本大学法医学教授(当時)による鑑定結果が最高裁に提出されたが、上告を棄却した最高裁決定の中で無視されている。

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