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就きたい職業、社会貢献への関心薄い小中高校生

2011.07.25

 小中高校で、児童・生徒たちが将来どのような職業に就き、社会に貢献するか十分に学習できていない実態が、文部科学省が公表した「キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議」中間取りまとめであらためて明らかになった。中間とりまとめは、一方で学校や地域の積極的な取り組みによって効果を挙げている例も示し、学校、家庭、地域・社会、産業界が協働して、「キャリア教育」を推進していくことの必要をうたっている。

 「キャリア教育」とは、社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力や態度を育て、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していくことを促す教育を指す。1月の中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」で、強化が必要だ、と指摘された。

 中間取りまとめでは、小学3年生で地域の商店街に出向き「お手伝い活動」をすることで、自分の役割を果たすことの大切さや相手のことを考えた言動の重要性などを実感させている川﨑市立苅宿小学校や、阪神・淡路大震災を機に県内すべての中学2年生に5日間、職場体験活動を体験させる「トライやる・ウィーク」を10年以上続けている兵庫県教育委員会など、効果を挙げている実践例も紹介している。

 国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育調査(TIMSS)や経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)によると、日本の子どもたちは、他国に比べ将来就きたい仕事や自分の将来のために学習をしようとする意識が低いとされた。2006年に文部科学省が実施した委託調査の結果でも、普通高校に入学した動機について「自分の個性を伸ばすことができると思う」、「自分のやりたい勉強ができると思う」と答えた高校生はいずれも15%未満にとどまっている、という結果が出ている。

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