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京都大学が欧州で初のiPS細胞特許

2011.07.12

 京都大学は11日、山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所長らが切り開いた人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術に関する特許が欧州で成立した、と発表した。

 特許の範囲は、Oct、Klf、Mycという3つの遺伝子、あるいはOct、Klfとサイトカインを使ってiPS細胞を作製する行為を含んでいる。各遺伝子はファミリーという形で広くカバーされるほか、その遺伝子ファミリーがつくるタンパクを用いる場合も含む。遺伝子を導入する運び屋(ベクター)の種類は問わない。広汎な領域をカバーする特許権であることから欧州での影響も大きい、と京都大学は言っている。

 iPS細胞技術に関する特許は、既に日本で3件、海外でも南アフリカ、ユーラシア、シンガポールで成立しているが、欧州では初の特許となる。

 山中所長は「多くの企業が安心してiPS細胞研究や商業化に参入できるよう、一日も早い実用化を目指して研究にまい進するとともに、関連する知財の確保を進めていきたい」と語っている。

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