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原子炉建屋カバー設置は妥当 原子力安全・保安院が安全委に報告

2011.06.28

 福島第一原子力発電所1号機の原子炉安定化に必要とされる原子炉建屋カバー設置について原子力安全・保安院は27日、安全上、問題はないとする評価結果を原子力安全委員会に報告した。

 原子炉建屋カバーは、1号機の原子炉建屋全体を鉄骨主構造と防水性の塩化ビニル樹脂コーティングポリエステル繊維の膜から成る構造物で覆う。フィルター付の排気設備を持ち、使用済み燃料貯蔵プールへ内部配管とプール上部からのどちらからも注水できる機能を持つ。放射性物質の大気中への放出を抑え、雨水の浸入を防ぐ効果を東京電力は期待している。

 原子力安全・保安院は、放射性物質の放出を90%以上低減でき、原子炉の燃料と使用済み燃料プール内の燃料が100%破損したと仮定しても、原子炉建屋カバー内に爆発の危険がある水素が滞留する可能性は極めて低い、などとした東京電力の説明を妥当とした。

 原子炉建屋カバーは、南北方向47メートル、東西方向42メートル、高さ54メートルの大きさで、30センチの積雪の重みと秒速25メートルの風速に耐えるとされている。東京電力の計画によると6月下旬に工事を開始、9月中、遅くとも11月中に完成となっている。

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