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子宮頸がんワクチン不足で公的助成接種年齢拡大

2011.03.08

 厚生労働省は7日、子宮頸がんワクチン接種が今年度中にできなかった高校1年生について2011年度以降も公的負担で接種できるようにすることを決め、7日各都道府県に通知した。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの感染が原因で発症する。日本では感染を防ぐワクチンが2009年9月にようやく承認された。政府は今年度の補正予算で接種を奨励する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」を昨年11月にスタートさせている。ヒトパピローマウイルスは性交渉によって感染するため、性交渉を経験する前の女性に対しワクチン接種の効果が大きい。ワクチン接種緊急促進事業では、中学1年生(13歳相当、自治体の判断で小学6年生も)-高校1年生(16歳相当)が対象となっている。

 しかし、ワクチンの需要が予想以上に多く、供給が追いつかなくなったため、厚生労働省はワクチン製造販売企業に対し、安定供給の確保に努めるよう要請するとともに、公的助成を受けられる接種年齢の条件緩和を決めた。ワクチンは半年以内に3回接種することが必要なため、供給不足への対応として「当分の間、初回の接種者への接種を差し控え、既に接種を開始した者への2回目・3回目の接種を優先する」ことも市区町村と関係機関に要請した。

 昨年12月に実施した厚生労働省の調査によると全国1,750の市区町村のうち、1,749市区町村が22-23年度中に子宮頸がんワクチン接種を実施すると回答、このうち約63%に相当する1,099市町村が22年度中に実施するとしていた。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスに感染後しばらくしてから発症するといわれている。国内では毎年約2,500人が死亡しているが、性交開始年齢の低下により、最近では患者の若年化がみられる。米国では2006年から11-12歳の女児に対するワクチンの接種が始まった。

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