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エリート若手研究者ほど各府省施策に厳しい目

2010.10.04

 先端分野で活躍する若手研究者ほど、各府省が進めようとしているプロジェクトや施策について、より厳しい意見を持っていることが分かった。

 内閣府は、総合科学技術会議の優先度判定対象となっている224施策について、一般に加え、研究費助成で高い評価を得ている「若手研究者」からも意見募集を行っていたが、このほどその集計結果がまとまった。第一線の若手研究者から意見を集めるのは今回が初めて。

 一般からは4,700人、7,735件の意見が提出された。所属機関別に見てみると、大学・公的研究機関が5,791件、民間企業が1,272件と大多数を占めたが、官公庁から74、小・中・高校からも34の意見が寄せられた。年齢構成では、40代が最も多く2,306件、次いで30代1,967件、50代1,809件、10代29件となっている。

 一方、「若手研究者」と特別に分けて意見を求めたのは科学研究費補助金の若手研究S・Aを獲得したエリート若手研究者約1,000人。このうち184人(623件)から意見が寄せられた。所属機関別では、大学・公的機関がほとんど。年齢別では、20代1件、30代497件、40代以上が125件だった。

 大きな違いが見られたのは、一般では「このまま推進すべき」「改善・見直しをした上で推進すべき」「推進すべきではない」と意見が分かれた施策に対し、「若手研究者」からの意見は「このまま推進すべき」が全くなく、すべて改善や中止を求めていることだ。

 沖縄科学技術大学院大学の開学準備(内閣府)、博士課程教育リーディングプログラム(文科省)、理数学生育成プログラム(文科省)、飲酒運転者の医学・心理学的な判定法に関する研究(警察庁)などが、「改善・見直しをした上で推進すべき」か「推進すべきではない」とされている。また、イノベーションシステム整備事業(イノベーション成長戦略実現支援プログラム、文科省)、免疫・アレルギー科学総合研究事業(文科省)なども、「改善・見直しをした上で推進すべき」に意見が集中した。

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