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電子顕微鏡の性能世界一奪還可能な電子源開発

掲載日:2010年9月9日

電子顕微鏡の分解能を飛躍的に高める可能性がある電子源を物質・材料研究機構の研究チームが開発した。

同機構一次元ナノ材料グループの唐 捷グループリーダーとZhang Han 研究員は、現在、電子顕微鏡に用いられている電子源を材料だけでなく電子放射法も換えることで、性能を高めることに挑んだ。

まず、現在、電子源として使われているタングステンより優れていることは分かっていたが、倍以上硬いために適当な加工法がなかったランタンホウ化物(LaB6)を、化学気相堆積法という手法を用いて単結晶ナノワイヤをつくり出した。さらに熱源を高温にして熱電子を放射させる現在の方式に比べ、はるかに高輝度で細く絞った電子ビームを放射できる電界放射方式を採用できる電子源とすることに成功した。ナノワイヤ表面から不要な不純物を除去する方法も開発した。

透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の技術で日本はかつて世界一の技術を誇り、重要な輸出品となっていた。しかし、現在は米国、ドイツに追い抜かれている。最近、国内で開発された高性能レンズと、今回、開発されたLaB6単結晶ナノワイヤ電界放射型電子源を合わせることで、再び世界一の透過型電子顕微鏡を開発することも可能だ、と研究者たちは言っている。

この研究成果は、科学技術振興機構 産学イノベーション加速事業「先端計測分析技術・機器開発要素技術開発プログラムの開発課題「ナノ構造制御LaB6次世代電界放射電子銃の開発」の一環として得られた。

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