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『ちきゅう』機器強化し掘削作業再開

掲載日:2010年8月13日

海洋研究開発機構は、地球深部探査船「ちきゅう」のドリルパイプやケーシングパイプなどが脱落した事故について、「黒潮の流れが想定以上に急激に変化し、退避できなかったため」という調査結果を12日、明らかにした。関連機器を強化するとともに、黒潮の変化を見る警戒船をより遠くに配置するなどの対策をとって、同日夕に設置作業を再開した。

「ちきゅう」は、統合国際深海掘削計画(IODP)の一環として、紀伊半島沖熊野灘で南海トラフ地震発生帯の掘削作業を行っていたが、1日、ケーシングパイプの降下をほぼ完了したところで、黒潮の流れが急激に北に移動した。通常は秒速0.8メートル以下の流れが秒速1.2メートルに変化したため、ケーシングパイプにかかる応力が増大し、大きくたわんだ。そのため、ケーシングパイプとドリルをつないでいたウェルヘッドランニングツールに力が集中して破断したという。

今後は、ケーシングパイプを降ろす作業を黒潮から3.7キロ遠くへ離し、さらに黒潮の動きを見る警戒船の位置も退避に十分な時間を稼ぐことのできる上流2.7-3.7キロに配置する。さらに、ウェルヘッドランニングツールを6割程度強度を高めた製品に代え、秒速1.75メートルの流れまで耐えられるように強化した。

ちきゅうは12日午後7時半から作業を再開し、当初予定の8日から10日間遅れの18日には南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ3を終了するという。

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