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性染色体の変化が新種の原因

2009年9月30日

性染色体の変化により新種形成が起こることを、東北大学の研究者が日本海と太平洋に住むトゲウオ科の魚類、イトヨで確かめた。

東北大学大学院生命科学研究科の北野潤・助教らが研究対象にしたイトヨは、日本海と太平洋で異なった種が生息している。日本海が約200万年前の氷河期に閉鎖的な海だった時期があり、日本海に閉じこめられたイトヨが独自の進化を遂げたためだ。

北野助教らの研究の結果、日本海型イトヨは、性染色体のY染色体と常染色体9番が融合し、太平洋のイトヨとは染色体が異なることが分かった。この融合染色体には求愛行動を攻撃的にする遺伝子が存在し、オスのイトヨは、求愛行動時に背中のとげでメスを強くつつくことが明らかになった。日本海のメスはそれでも求愛行動を受け入れるが、太平洋のイトヨのメスはオスにつつかれると交配をやめてしまう。さらに日本海のイトヨの性染色体には、体を小さくさせる遺伝子も存在し、太平洋イトヨのメスが小さなオスを好まないことも、自由な交配を妨げる要因になっていた。

また、日本海イトヨの性染色体には、太平洋のオスを不妊にさせる効果があることも分かり、これら性染色体の違いが原因となって、日本海に新種のイトヨが誕生した、と北野潤・助教らは言っている。

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