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『ちきゅう』熊野灘の掘削5月に再開

2009年4月21日

船位保持装置の故障で掘削計画を中断していた地球深部探査船「ちきゅう」が、繰り返し巨大地震が発生している南海トラフでの掘削計画を5月中旬に再開することが決まった。

海洋研究開発機構によると、「ちきゅう」は、2月15日に神戸港を出港し、修復したアジマススラスター(船位保持のための推進機)の機能確認試験に続き、駿河湾と熊野灘で掘削訓練を実施中。5月初旬に和歌山県新宮港に寄港し、資機材の積み込みなどを行った後、5月10日ごろ同港を出港し、熊野灘での掘削を開始する。

フィリピン海プレートが沈み込む南海トラフでは、過去に東海地震、東南海地震、南海地震あるいはそれらが連動して起きるさらに大規模な巨大地震が繰り返し起きている。「ちきゅう」は、これら巨大地震の発生域の一つ熊野灘を掘削海域として選び、2007年9月から2008年2月にかけて第1ステージの掘削を行っている。

今年の計画は、5月中旬から10月初旬にかけ、3回の航海に分けて実施される。5月中旬から7月末を予定している第1次研究航海では、新宮港の南東60キロの地点(水深2,016メートル)を、海底下1,600メートルまで掘り進む予定。「ちきゅう」の大きな特徴である二重管構造のパイプを使うライザー掘削に、科学掘削としては世界で初めて挑む。掘削で岩石資料を採取した後の掘削孔に約20台の地震計を下ろし、深海調査研究船「かいれい」からエアガンで発信した音波を測定することで地質構造を調べる調査も行う。

8月の第2次研究航海、9-10月の第3次航海と掘削地点を紀伊半島からより遠方に移し、第3次航海では、南海トラフの海側にあたる地点(新宮港の南東140キロ)を掘削する。

「ちきゅう」の掘削地点。
NT2-11が第1次研究航海、NT2-01が第2次研究航海、NT1-07が第3次研究航海
「ちきゅう」の掘削地点。NT2-11が第1次研究航海、NT2-01が第2次研究航海、NT1-07が第3次研究航海
(提供:海洋研究開発機構)
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