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シナプス機能異常が自閉症の一因

2009年4月6日

自閉症の原因の一つは、神経細胞中のタンパクが正常な網目構造をつくれないことに起因することを、理化学研究所脳科学総合研究センターの研究者たちが突き止めた。

自閉症は、家族環境や社会環境とは関係のない先天性の脳機能障害で、原因因子として、神経シナプス形成時に働く遺伝子の異常がいくつか見つかっている。同センターシナプス機能研究チームの林真理子研究員、林康紀チームリーダーは米国やイタリアの研究者と共同で、原因遺伝子の一つとして知られるShank遺伝子がつくるタンパクとそれを結びつける役割を果たしているタンパク「Homer」の機能をX線結晶構造解析などにより調べた。

その結果、2つのタンパクは網目構造をつくっており、この網目構造は、神経伝達物質の受容体を含むほかのタンパク質を固定する役割を果たし、シナプスの神経伝達機能に関与していることが分かった。

自閉症の原因因子ではないかとされるほかのタンパク質の中にも、シナプスの機能に影響していると考えられるものがある。シナプスの機能を改善するような薬を開発すれば、自閉症の一般的な治療法の確立も期待できる、と研究者たちは言っている。

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