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ピロリ菌の新たな胃がん発症メカニズム解明

2009年1月22日

慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)や胃がんの原因と考えられているピロリ菌が、がんを引き起こす新たなメカニズムを東京大学医科学研究所の研究者たちが見つけた。

胃粘膜に感染することで病気の原因となるピロリ菌の危険因子としては、CagAタンパクが知られている。このタンパクが胃上皮細胞内でリン酸化される結果、細胞増殖にかかわる活性化補助因子であるβ-カテニンが発がん関連遺伝子の転写を促進することは、これまでも分かっていた。

東京大学医科学研究所の笹川千尋・教授と鈴木仁・助教らは、CagAタンパクがリン酸化されなくてもβ-カテニンを活性化する新たな発症メカニズムがあることを突き止め、この新たな経路にかかわるCagAタンパクの部位を特定することに成功した。

リン酸化されないCagAタンパクの感染役割が分かったことで、日本人の胃がん原因の大半を占める慢性胃炎や胃潰瘍といったピロリ菌感染症に対する新たな治療薬やワクチン開発につなげることが期待できる、と研究チームは言っている。

この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)研究領域「免疫難病・感染症等の先進医療技術」の一環として得られた。

ピロリ菌を発見し、胃炎や十二指腸潰瘍との関連を明らかにしたオーストラリアのロビン・ウォレン、バリー・マーシャル両博士は、2005年のノーベル医学生理学賞を授賞している。

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